音楽制作って、大抵の場合、少人数でおこなわれていることが多いですが、
その理由は何なのか?というお話です。
簡単に言えば、音楽性や、人柄をよく分かったメンバーでないと
同じ方向を向いて音楽制作が出来ないからというわけです。
100人いたら、100通りの音楽性があります。
みんな100%音楽性は違います。
その人達と、良い化学反応を起こせるような人こそと一緒に音楽制作がしたい、というわけです。
そうなりますと、いきなり会って、さあ、やりましょうとはなかなかなりませんし
かなり時間が経たないと分かり合えないことかと思うのです。
音楽制作はそういうデリケートな部分がとても大きくしめていまして、
実は演奏が上手い、ということは、2の次、3の次という世界なのです。
特に、バンドをやっている人の場合は、まちがいなく経験されているはずですが、
バンドというのは、音楽性の前に、人間関係なのです。
僕なんかは、「自分は演奏が上手いです!」と自分で言うような人とは一緒にはできないな、と思ってしまいます。
まず、人間関係という段階で、デリカシーの無い人なのではないか?と疑問に思ってしまいます。
あえて演奏については、この人が奏でるフレーズがいい、この人じゃないと出せない音がある、
という部分の方がずっと重要だと思っています。
大抵大きな仕事をされている方々、世界的な仕事を行っているような音楽制作者の方々は
演奏も素晴らしいですが、人柄もすばらしい方々ばかりです。
逆に言うなら、この素敵な人柄の方だから、沢山仕事があるんだな~と思ったりします。
音楽って一種独特な世界がありまして、
ステージで行っているパフォーマンスを観て、特に昔は、ハードロックをやっている、というだけで不良とか
言われる時代がありましたが、不良と呼ばれながらも、音楽を長く続けてこられた方々は例外なく、
不良どころか、純粋に音楽に向き合い
自分の中で音楽性と戦い、切磋琢磨してきた方々です。
ステージを降りると、実にいい人、という方が多くてびっくりします。
そんなとき、音楽って、ジャンルはどうでもいい、本当に素晴らしいって思います。
今や、テレビはあまり観られないようになってきて、ラジオも、最近の知ってる音楽しか流れない
アーティストとしてどうやって知ってもらおうか、という時、
自分で営業もして、動画をアップして、演奏もして、音源も制作する、
SNS等で人と人のつながりを作りながら
自身をプロデュースするということがとても重要かと思います。
そうすると、自分と一緒にやってくれる人、
お互いに共鳴しあえる人柄の人、自分が感動する演奏の出来る人
こう話してくると、たしかにみんな少人数でやっている理由があるってわけです。
注意してほしいのは
アーティストとして妥協しろ、という事を言っているのはありません。
アーティストは、人としてちゃんとしている上に、プロデューサーとアーティストは立ち位置は
アーティストが方向を決めて、プロデューサーがそのサポートをする、というのが正しい位置関係かと思います。
自分は何がしたくて、こういう方向へ行きたい、そういう方向が明確であればあるほど
その形が実現しやすくなります。
そんなわけで、僕と同じような立場の人も最近出て来ているみたいですが、
アーティストという立場の場合もあり、制作スタッフという立場の場合もある、というわけです。
アーティストの場合は、方向性をしっかりと示さなくてはなりません。
こんな感じのものを作りたい、となると、スタッフは少人数で分かり合える方で作っているという感じです。
逆に制作スタッフの場合は、自分がどうしたい、というのは出してはいけません。
アーティストがどうしたいのか、を実現してさしあげる、というのが僕の仕事になります。
時と場合により、立ち位置が変わることも多く、いろいろ難しいこともありますが、
何より、奥の人間性が問われる仕事であることは間違いありません。
音楽を磨くのも重要ですが、何より、自分自身を磨くということが、重要な仕事かと思います。