一つずつ謎を解き明かしていきたいと思います。
楽器やエフェクターは、なぜ古いものが良いのか、
僕はアコギなので、それで比較してみると確かに、
今の楽器よりも1950年代のGibsonとか、Martinに至っては、お値段も100万をこえたりする。
僕の持っている中でもビンテージと言えば、
1980年のOvationのスーパーアダマス、当時は108万円もした楽器ですが、今でもなお60万円前後。
これについては顕著に今の楽器とは別モノと言ってもいい音がします。
1951年のGibsonのCF-100Eとかは、本数も少ないし、サウンド感も当時のものしか出ない音がある。
では、高くても売れるから、その値段が付くのですが、なぜそんな古いものが売れるのか?
エフェクターもそうです。ビンテージエフェクターのコーラス、BOSSのCE-1とかになると、4万円から5万円あたりで
取引されます。
まずはアコギについての検証ですが、
一般的にですが、エレキギターやアコースティックギターに至るまで、ギターに使われる材料が、1950年代など古いものの方が
格段に良かったということが言えると思います。
特にGibsonのJ45やサザンジャンボなどの1950年代のものを弾いてみるととんでもない爆音で鳴るということがありますが、
今の時代のギターを弾くと明らかに、それにはかなわないものがあります。
特にGibsonというギターメーカーのスタンスは、非常に分かりやすくて、基本的には、このギターメーカーは材料が良くても悪くても
作り方を変えたり、小手先での材料の悪さをカバーする動き方は全くしません。
むしろ、開き直って、「しょうがないだろ、材料が悪いんだから!」と言っている声が聴こえそうなくらい、材料が良かったときと、
悪くなってきてからの音は明らかに違います。
初心者の方々には、こんな高いギターは買えないです。というのは当然ですが、
例えば、1970年代初頭に生まれた、日本初のフォークギターと言われている、YAMAHAのFG-180とか、FG-150とかのライトグリーンラベルや
赤ラベルあたりの状態の良いものを扱っているギター屋さんもありますが、特に愛知県の
スタジオMさんあたりでは
修理をして弾きやすくしてから売ってくれているという感じで、この歴史的ギターも今は4万円ほどで手に入ります。
今のギターで新品で4万円のギターを手に入れるならば、間違いなく、この1970年代の名器と言われているこのFG-180をおススメするのも
名器ならではの秘策満載のすごいギターだからなんです。
このFGシリーズの赤ラベルの話はまたの機会にするとして、材料も、過去の音楽シーンに合わせたギター作りもあり、
非常に良い作りをしていますし、このお店は弾きやすく直したうえで売っていますので、非常に良い状態のビンテージギターを手に入れる
ことが出来ます。
過去の古いギターは、確かに悪いものは悪いのですが、今でも伝説として伝わるようなギターはやはり、今では作れない良さがあるというわけです。
また、この木で作られたギターは永年弾きこめば弾きこむほどに鳴るようになってくる、というのもあります。
新品で買えば、そこから弾きこまなくてはならないということですが、古いギターはかなり弾きこまれた状態から使えるという大きなメリットもあるわけです。
キングオブフラットトップといえば、GibsonのJ-200を思い浮かべる人も多いでしょう。
このギターはサイドとバックがメイプルで、木が固いということもあり、鳴るまでにかなりな時間を要すということを聴いたことがあります。
この年月がなんと、50年ともいわれていますから、気が長い話ですね。
エフェクターの方はどうでしょうか?
今のエフェクターはほとんどデジタル化がすすみデジタルリバーブ、コーラスなどにしてもサウンド的にとても綺麗です。
ところが、変な話ですが、綺麗すぎるんです。
人間の住んでいるこの世の中では、「無音」という世界は存在しません。
例えば、僕らも含めて、今、この記事を読んでいるあなたも、何年も音楽活動をされている方なら、レコーディングスタジオの音のデッドと
言われている環境に身をおいたこともあるのではないでしょうか?
全く一種異様な無音状態という体験をされたことがあるかと思います。
そう、このデジタルという処理をされた機材は、基本的には、0か1ですので、音のないところは無音なのです。
ノイズが無い綺麗さ、ということで当初は話題になりましたが、人間も実は無意識のうちにノイズというものも感じながら生きていまして、
脳で血液が流れる音や髪の毛が風に揺れる音や、自然界では、いわゆる自然音、風や鳥の鳴き声、木がゆれているザワザワする音など
無音の様に思いますが、決して無音ではありません。
この微妙なノイズというのが、実はアナログのエフェクターにはあったというわけで、人間が聴き心地が良い自然音と同じように
聴こえているか聴こえていないか分からない様なノイズがあるのですが、これが非常に心地がいいというわけです。
肌に合うとか、安心するとか、冷たく感じないとか、この微妙なノイズがそうしてくれるわけです。
BOSSのCE-1は、名器中の名器でして、いろんなメーカーが出している、コーラスというエフェクターがありますが、
何と、コーラスというエフェクターの世界初の機材が、このCE-1だったのです。
これは、ギターアンプで超有名な、ローランドのJazz Chorus、というのがありますが、(JC-120とか)
このギターアンプはスピーカーが2つあり、一つは加工されていない生に近い音と、もう一つからはコーラスがかかった音が出るという
仕組みになっていて、(今でも現行品があるのはすごいですが、)
これをエフェクター化したのが、CE-1です。(1976年発売)
何と、世界中のメーカーが作っているコーラスというエフェクターは、日本のローランドが発明したエフェクターだったんです。
このCE-1は何がいいかというと、圧倒的な音のぶ厚さがあり、アナログ感がとてもある聴き心地のとても良い
音を出してくれるんですよね。
今のコーラスは音がどうしても細くなってしまう傾向があり、温かみが欲しいという感じがありますが、
このCE-1はギター1本弾き語りに於いても、その世界観をバッチリ演出してくれる聴き心地の良さを作ってくれるエフェクターの一つです。
また、この流れで、BOSSのエフェクターのシリーズが、日本製だったものが今ではほとんどが台湾製になっています。
メーカー的には中身は何も変わっていませんといいますが、音にこだわるおやじたちをごまかすことは出来ませんでした。
確実に音が違う、僕はCE-3というコーラスを使っていましたが、台湾製は音が細くなっていましたし、ぬめり感のようなものも無く
どう考えても違うのです。
しかし、この時代の日本製のものというのは、過去のものということでその後は作られていませんので、いまだに日本製の古いエフェクターを
探し続ける人々があとをたちません。
やっぱりデジタルは音を扱いやすく、処理が確実で、綺麗なのですが、音のあたたかみや、聴き心地感はどうしてもアナログにはかないません。
結果として古いエフェクターを探すということになったりするわけです。
今後は、アナログが見直されていますので、アナログエフェクターも出てくるでしょうけど、コスト面などの問題もあり
当時と同じものを作るということは現代ではほぼ不可能とい言ってもいいのかもしれません。
ということで、古いエフェクターを探すという結果になるというわけでした。
楽器や、エフェクターは必ず弾いてみて、聴いてみて買うというのが鉄則ですので、必ず試奏させてもらってくださいね。
僕は今のコーラスは、1980年代のTCエレクトロニックのChorus+を使っています。
これもいいんですよね。これも年代によって、なぜか音が違うんです。
やっぱり、それでも、世界初のコーラス、BOSSのCE-1.
このエフェクターしか出せない音がありますので、是非弾いてみて、実感してくださいね。
以上、
楽器やエフェクターはなぜ古いものが良いのか、でした。
何かのご参考になれば幸いです。
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