第1回レコーディングレポート

2011年に入りまして、いよいよ本格始動ということになりました。

1月15日~16日にかけて、雅音人のアルバムのレコーディングがスタートしました。

今回は、時間的にかぎられている状況もありまして、
15日はほぼ全日レコーディング
16日は、今年松本にて行われる国連軍縮会議というのがありまして、ものものしい名前では
ありますが、はちどりネット湧~くの望月さんが呼びかけ人となり、
市民団体も活動しようというミーティングが行われ、各方面の方々が集結した中に僕らも参加ということになっていましたので、お昼過ぎで終了ということになっていました。


いつもでしたら発売日を決めて、それに向けて間に合わせるという形式でやっていましたが、
今回はしっかり時間をかけて、納得のいくまで1曲に時間を使おうということでやりだしましたので
1日かけて、ボーカルとアコギだけなのに、1日で前半、後半で2曲という予定で進めました。

まずは、15日、初の試みのセッティング。
以前から、インターネットラジオや、マイクの検証ページなどでご案内している通り、
マイクにはこだわりました。

ボーカルはNEUMANN(ノイマン)TLM102NICKEL

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写真のものは、SEエレクトロニックのリフレクションフィルターというものです。
これは、何処の場所でボーカルを収録しても、反響音が同じ、デットになるというとても便利な機材なんですよね。

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ちょっとピンぼけなので、これです。

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アコースティックギターには、RODEのNT5というステレオマッチのコンデンサーマイクを採用しました。

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セッティングには、まずは、パソコンノイズは排除するということで、パソコン本体は防音室の外に出すということをやってみました。これがことのほか大成功。
パソコンノイズの問題は解決しました。

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これ、IODATAから、それようの機材が出ているんですよね。DISPLAYDOCKというもの。
これが上手く活躍してくれます。本体をUSBでつないで外に出せるということが可能なんですね。
全く無音になった防音室に、ディスプレイと、キーボードと、DISPLAYDOCK、
オーディオインターフェースは、いつも使っているEDIROL M-16DX
最近のモニターには、これもRolandのモニター、CM30を2台。ステレオリンクという方式で接続すると、レコーディングモニターになってしまうんですね。これが。

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まずは、曲によって違いますが、基本の録音は、ガイドをまずレコーディング。ギターとボーカルの一発録り。

それを聴きながら今度はギターの録音。
NT5は、やわらかくて、きらびやかなサウンドが収録できます。前の歳時記の時は、ギター、ピアノの一発録りということもあり、ギターはラインでしたが、
今回は、ラインのミックスは無し。ステレオマイクのレコーディングのみなんです。

こうすると、面白いのは、ギターの弦を弾く強さまで音として入るんですね。細かいニュアンスが
ちょっとした弾き方で変わるんですよね。
これは、細心の注意を払って弾こうって思いましたね。

それと、ギターは、今回はMartinのD35を使うことにしました。
普段なら、僕は、K.Yairiさんのモニターをやっている関係で、滅多に出てこないギターですが、
レコーディングは、自由にギターを選べるってことで、生で録るなら、生のサウンドの最高峰って感じのサウンドを収録しちゃおうってわけなんですよね。
これが、細かいニュアンスまで収録できるので、よかったですよ~

それで、ギターを聴きながら、ボーカルのレコーディング。
これは驚きましたね。

NEUMANNってのが、色々なエンジニアから支持されているのも分かりますね。
分厚いサウンドで、このマイクの特徴みたいですが、コンプがかかったような前に出るサウンドに
始めからレコーディング出来るんですよね。
高域のところには、ちょっとした輪郭があり、中低域はとてもやわらかで、
すこしハスキーなところがとても色気がある音で収録出来るんですよね。
NEUMANNは色気ある音で収録出来るという話が良く出てきますが、
全くこのイメージかと思いますね。

それと、さらに驚くべきは、このマイク、既に音質のチューニングが出来た状態でレコーディング出来るんです。
要するに、PC上でさらに低域や、中域、高域などの編集の必要がほぼ無いのです。

っていうのは、僕らエンジニアは、
大きなスピーカー、中くらいのスピーカー、小さなスピーカーで聴いても、問題の無いボーカルに
作り上げるといった、かなり大変な作業があるのですが、
何とです、
このNEUMANNってマイクは、始めから、その最大公約数的なサウンドが出来た状態でレコーディングされるんですよ。
これには、本当にビックリしました。

何にも触ってないのに、目指すべきサウンドが目の前に既にあったってわけで、
今までの苦労って一体何???っていうことになりました。

Tamikoさんから、いつもならいろいろな要望が出るのですが、今回は、これ以上の音は作れないと
思うからって普段なら、いろいろあるのですが、今回は出てこないのですよね。
いい音だね~っていう声。

確かに、世界が違う音ですからね。これ。
無音状態で、分厚いNEUMANNサウンド、サウンドだけでも聴き応えありましたね。

結局、
ボーカルを収録したあとで、ホンチャンのボーカルを聴きながら、その息をすうタイミングとかに
合わせて、さらにギターの収録をやって、
1曲出来上がりという感じで、かなり丁寧に作ってみました。

ボーカルとアコギだけ。

これで、なかなかの聴き応えだと思います。
中味にこだわってサウンドを作っていますが、
イメージ通りに来ている感じです。

2日間で、3曲のレコーディングになりましたが、
22日にもさらにレコーディング。
この日は丸1日またまた缶詰状態でやってみますね。多分、それだけやっても、2曲のレコーディングかなと思います。
23日は僕が大阪の予定になっていますので、レコーディングはお休み。

29日はジャストさんでのライブもありますし、
30日は午前中のレコーディング。

少しずつですが、丁寧に録って、このペースで行けば、3月末あたりには全曲の収録が出来るのではと思っています。

1月は、名古屋では大雪が降ったりしましたが、無事にレコーディングが出来るようなお天気が
続いてくれればなって思っています。

また、収録レポしますので、お楽しみに。
by artwing | 2011-01-19 01:38

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