名古屋議定書採択!!
2010年 11月 01日
29日に閉幕したCOP10。
実は、先進国と発展途上国の利益分配のあり方については、
なかなか合意されることがなく、2年後のCOP11インドに持ち越されるかと思いきや、
10月30日未明に、全会一致で採択されました。
以下毎日新聞の記事です。
COP10:名古屋議定書採択し閉幕 国内法整備、着手へ 監視機関や里山保護
国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10=名古屋会議)は30日未明、微生物など遺伝資源の利用と利益配分を定めた「名古屋議定書」と、2010年以降の生態系保全の国際目標「愛知ターゲット」を採択して閉幕した。閉幕後、記者会見した議長の松本龍環境相は、名古屋議定書の早期批准を目指すとともに、その実行を担保するための国内法を制定する方針を明らかにした。次回の締約国会議(COP11)は12年10月、インドで開かれる。【足立旬子】
議定書は、遺伝資源を利用する企業は提供国から事前の同意を得て、医薬品開発などで得られた利益をバランスよく配分すると規定。利用国に対し、遺伝資源を不正に入手していないか監視機関を設けてチェックするよう求めた。その際、提供国政府が発行する証明書を確認する。どういった体制で監視するかは利用国に判断をゆだねているが、監視機関を1カ所以上設ける。さらに、各国が情報を共有できるよう、条約事務局に情報とりまとめ機関(クリアリングハウス)が設置される。
議定書は50カ国が批准して90日後に発効する。松本環境相は「さまざまな問題を整理し、すみやかに対応しなければならない」と述べ、議定書の早期批准と国内法の制定を急ぐ考えを示した。
一方、愛知ターゲットでは、「20年までに生物多様性の損失を止めるために効果的で早急な行動を取る」とした。さらに陸域は少なくとも17%、海域は公海を含む少なくとも10%を保全するほか、外来種の侵入防止などの目標が決まった。
会見に同席した近藤昭一・副環境相は「この目標に魂を入れていく。一つ一つ実施していく」と述べた。日本の提案で里山のような身近な自然の保護に各国が連携して取り組んでいくことになったのをふまえ、「里地里山法案(生物多様性保全のための活動促進法)の成立も目指す」と語った。
◇深夜1時半、響く木づち 「英知と努力、実った」
「採択いたします」。日付が変わった30日午前1時29分、名古屋国際会議場の議長席に座った松本龍環境相がゆっくりと宣言した。木づちの音が響く。名古屋議定書が誕生した瞬間だった。
間髪を入れず、世界各国の代表団から大きな拍手と歓声が起きた。拍手は約1分間続き、立ち上がったり口笛を吹いて祝福する参加者も。続けて愛知ターゲットの採択を告げる木づちの音。松本環境相は何度もうなずきながら「みなさんの英知と努力と汗と涙がここに実った」と謝意を示した。
29日午後4時40分、予定より1時間半以上遅れて開会した最終日の全体会合は、COP11開催国に決まったインド主催のレセプションを挟み、午後11時10分に再開。名古屋議定書の議論が始まっても一部の中南米諸国から異議が相次いで表明されるなど、決着は未明にずれこんだ。報道陣やNGO関係者らで満席だった傍聴席も空席が目立ち始め、延々と続くやり取りにうんざりしたように目を閉じる人もいた。しかし、議定書を完成しなければならないという思いは一致し、30日午前1時半前、名古屋議定書の採択にこぎつけた。
午前3時過ぎから会見した松本環境相は「92年にこの(生物多様性)条約ができ、18年間の長い道のり。議長国として、大きな成果を得ることができ、心からうれしく思う」と興奮気味に語った。全体会合前の非公式会合で打開に向けた議長提案が大筋合意された時「(各国の)拍手を受けて泣いた」とも打ち明けた。
成功に終わった要因を聞かれ、「このような状況が続けば生物多様性が駄目になるという危機感と、それをしっかり保全して持続可能な利用に資するんだという思いを持った人たちがあきらめなかったことだ」と振り返った。【山田一晶】
この歴史に名前を残すことになったCOP10に
雅音人も参加させていただけたことは
本当に幸せなことでありました。